【Synology NAS 移行】DS218jからDS920+【HDDを移すだけ?】

レビュー

先日ご紹介したsynologyのNAS DS218jは購入よりすでに2年半経過し、ハードディスク(HDD)をより大容量のものに交換しようかと思っていたのですが、思い切ってHDD の4台入るDS920+へ載せ変え&増設することにしました。そして無停電電源装置も導入しましたが、それは別の記事にします。

HDDを4台も入れる意味

2つ以上のHDDは全て互いのコピーのようなものでHDD容量を揃えないと余りが出て容量が無駄になると思っていたのですが、実はSynology社のNASであればSHR(Synology Hybrid RAID)という独自のRAIDによって4台以上の異なる容量のHDDの組み合わせでも容量をより有効に使えて、結構な大容量になります。具体的にどういうことかは後述します。そこで、今回HDDの交換でなく、移行&増設に挑戦しました。

RAIDとは、2台以上のHDDを仮想的に1つのドライブであるように認識させる技術です。RAIDにはいくつかモードがありますが、データの安全性を高められたり、処理速度の向上が見込めたりするなど、モードによって特徴が異なります。

SHRは柔軟

現行の3TB✕2台に10TB✕2台を追加し4台体制にする場合、例えばRAID5だと一番小さい3TBに合わせてRAIDを組むために使える容量が9TBにしかならず、14TBも無駄になります。これでは単に10TB2台に交換したほうが良さそうに見えます。
一方、同じ4台体制にSHRで組むと使える容量は16TBになります。SHRだと余す所なく容量を使うことができるようです。

画像はSynology社のRAID計算機をスクショして引用しています。サイトで降雪の表現されていたために白い斑点がありますが気にしないでください。

このSHRのおかげであまり容量の違いを気にせずHDDを選べるので、将来的に3TBを16TBなどに交換しようかなあ〜といった柔軟な運用が可能です。

勿論、SHRであれば如何なる組み合わせでも未使用スペースが生まれないというわけではないので公式のRAID計算機で試して確認してみて下さい。

移行はHDDを移し替えるだけ?”HDD移行”の可否

上記のSHRを知ると改めてSynologyの良さを再認識したので、その中でも今より上位シリーズでスペックの高いDS920+を検討することにしました。

Amazon.co.jp

もちろんHDDを移し替えるだけ!と思いきや、公式サイトによるとこのような”HDD移行”について制限があるような記述があり困惑します。

  1. ソース Synology NAS が以下に一覧される場合は、別の Synology NAS モデルへの HDD 移行は利用できません。
    (中略)
  2. 複製元のSynology NASが上記の一覧にない場合は、複製元とデスティネーションのSynology NASがHDD 移行で移行できるかどうかを以下の表で確認してください。「O」はHDD移行が動作することを、「X」は2台のSynology NAS間でのHDD移行は許可されていません。

まず、1点目で挙げられているモデルに今使っているDS218jは含まれなかったので無視です。

次に2点目の記述と表によるとJシリーズから上位のPlusシリーズへはHDD移行ができないとあるので、DS218jからDS920+はHDD移行ができず、別の面倒な手段を取らざる得ないように読み取れます。

しかし、色々調べた結果、別の機種ですがJシリーズからPlusシリーズへHDD移行できたというアマゾンレビューブログを発見しました。
そこで、バックアップさえあればどうにかなだろうと、HDD移行をしてみることにしました。結論から言うとこれが上手くいきました。

実際にHDD移行する

データと設定のバックアップ 

今回に限らずNAS以外の場所にもデータを置いておくことが大切です。私はNASだけに置いているデータも安全と勘違いしていたのですが、RAIDはバックアップツ―ルではないです。このあたりの話はこちらのサイトに詳しいです。

NASのアプリである”Hyper Backup”でUSB外付けHDDにバックアップを取りました。重要なデータは端末上やクラウド上にもデータはあるはずですが、念を入れて漏れなく守るためです。2.5TB近いデータのバックアップをとり終えるまでには丸2日近く時間がかかりました。RAIDを過信せずに定期的にバックアップしている方には関係ない話とは思います。

設定も[コントロール パネル] > [更新と復元] 画面からローカルに保存しておきます。各種設定(ユーザー、グループ、ファイル サービスの設定等)を保存し、必要な時に設定を復元させることができます。

メモリーを増設(オプション)

Bitly

DS920+にはRAMが4GBあるので現行の512MBからするともう十分ではという感じもありますが、ダメ押しで4GB増設して計8GBとします。ソケットが本体内側の右側面にあるため、HDDより先につけるほうが楽で良いでしょう。

RAMの規格がDDR4と、前機種DS918+対応のDDR3から変わっている点に注意です。非公式で16GBも載るような話も見かけましたが保証対象外になるのは嫌なのできちんと公式のRAMを買いました。

HDDを移し替える

HDDの順番を違えないよう注意します。

写真の通り、DS218j本体カバーを外すと上がHDD1、下がHDD2とわかるので取り違えないように1台ずつ移します。DS920+は正面を見て左から順にHDD1, 2, 3, 4です。

新しいNASを起動・探索

DS920+をLANに繋いで起動し、ブラウザのアドレス欄に“http://find.synology.com”と入力すると、NASを見つけてくれます。ステータスに移行可能とあるのでうまくいきそう…!

HDD移行を認識

「お帰りなさい!」が表示されて安心します。

マイグレーションを選択し、NAS管理ソフト(DSM)のインストール後に再起動されます。

これまで使っていたアプリもインストール(修復)する必要はありますが、写真をAmazonPhotoに自動バックアップさせるといった設定も生きており非常に助かりました。

面倒な移行になることも覚悟しましたが、HDD移行が使えて非常に良かったです。

HDD増設

本来の目的である容量UPのための増設ですが、単に10TBのHDDを3つ目、4つ目のベイに取り付けてNASに認識させてひたすら待つだけですので何も難しいことはありませんでした。丸2日程度かかったような覚えがあります。

停電対策

さらに盤石な体制とするため無停電電源装置(UPS)も導入しました。別の記事で紹介します。

【Synology NAS停電対策に】OMRON BY35Sを選んだ理由【無停電電源装置UPS】
NASは耐故障性に優れ、比較的安全にデータを置いておけるとはいえ、停電に対する備えはNAS自体にはありません。そのための対策としてUPSを導入しました。SynologyのNAS DS218jをDS920+に買い換えるのを機に導入を...

まとめ

移行も増設もすごい楽ちんでした。ひょっとしたら”HDD移行”が不可で他の方法を取らざる得ない可能性もありましたが、”HDD移行”できてよかったです。

そしてDS920+は快適です。DS218jも入門機として扱いやすく優秀なNASではありますが、こちらは上位機種ですのでスペックが良いぶんだけ、DSMへのログインやファイルアクセスが速くなったのを予想以上にはっきり感じられたので買った甲斐があったと思いました。

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