気になる点
替芯必須
ペーパーライクフィルムを貼るとペン芯の消耗がかなり早いです。シャープペンの芯の交換と思って替芯のストックは多めにしてあります。線画が主なので割り切っているのですが、着色もメインにするならもっと消耗が早いのでフィルムは貼らない方が良いかと。ペーパーライクフィルムとフェルトの替芯使用で線画作業メインといった私の使用状況だと月1〜2回交換してます。
バッテリーの持ち
バッテリーのみなら3時間くらいは持ちます。レビューでも短いと感じる方が多く見られますが、出先でカフェなどに長居するのも申し訳ないので(今のご時世もありますし)問題ないです。
2019年以降のモデルではバッテリーに関する問題(膨張する?)も改善した後継機が出ています(私もそれを買いました)。
コンセントが重い
USBtypeCが接続できるけど専属のコンセント以外で充電ができない上にコンセントがそこそこの重量があります。アルバイトの帰りに作業をするために、コンセント、MobileStudioPro13、スタンドなどの付属品をリュックに背負って徒歩だけで往復2時間を週に数回通っていましたが、ギリギリ許容範囲内です。MobileStudioPro16はさらに大きいので厳しいかもしれません。面倒なときはコンセントは置いて行ってます。
長時間使用
長時間のClipStudioの使用で挙動がおかしくなるときがあります。筆圧検知しなくなるなどが起こりますが、ClipStudioをいったん閉じて立ち上げ直せばPCの再起動はしなくてもすぐに直ります。ただデスクトップPCと違いタブレットで、冷却の問題もあるかと思うので使わない時間ができればこまめに電源を落としています。
色の再現率
RGB再現率が85%が低いのではないかという点について、私の体感的な話をします。デザイナーやプロの漫画家イラストレーターの方に怒られるかもしれませんが、私にとっては、「言われて見れば印刷と多少違うかも?いや、やっぱりわからん。」という程度です。
どこまでこだわるかはエンドユーザーや提出先の環境次第と言えるかもしれません。webtoonの場合、web漫画の色は読者さんが見ている媒体にもかなり左右される(設定光量も人それぞれ)上に、1話あたり複数の縦20000px前後の縦長画像データを提出すると、出版社側で結合してかなりのデータ圧縮をかけられてグラデーションが潰れたりします。こだわっても仕方ないなと思いました。通常の漫画も白黒が基本なので尚更関係ありません。
印刷データにCMYKのプロファイルの埋め込みを忘れてて色が変わるくらいのやらかしをしたときは気づきましたが、モニター由来で重大な色の変化が…というのは感じたことはありません。カラーコントロールを厳密に行う業界でない限り(そうした業界がこれを使うかは知りませんが…)大きな問題点にはならないと思っています。
寿命は3年?
デスクトップPCと比べると劣るというようなレビューは見られますし、一般的にノートPCもデスクトップPCに比べれば寿命は劣るのでコンパクトな精密機器の宿命かもしれません。私は使用歴半年以上1年未満なのでまだ様子見ですが、3年経過したころにもう一度レビューしようかなとは考えています。
価格が高い
仕事用と割り切れば必要経費かもしれません。SSDとメモリの交換のできないSurfacePro7もMobileStudioと同じくらいのスペックにしようとすれば20万弱しますし、iPadProも決して安いわけではありません。趣味の範囲での使用ならば、比較的安価な物から試してみてもいいかと思います。
情報の不足
公式から出ている情報が少ないことを感じています(よく探すと情報が見つかることもありますが)。色々と良い点も実際に買ってみてから気づくこともあるので、公式からもっとアピールすべきではないかなと思います。
付属されていた説明書ですら、あまり情報がありません。
別途必要なものがあるのかないのか、例えば、外付けのキーボード無しでも文字が打てるのかすら実際に使ってみないとわかりませんでした。実際はあったほうが良いと思います(理由は後述します)。
そういったことで今回、細かい点も含めたレビューにしようと決めた経緯でもあります。
注意点
外部キーボードが必要
画面表示キーボードがあるため通常は文字は打てますが、ClipStudioを使うなら仕様上、外付けキーボードは必要のようです。というのも、ClipStudioではMobileStudioの画面表示されたキーボードからの入力を受け付けてくれないためです。(問題は解決しましたが、外部キーボードなしにはあまりにも不便です。)キーボードについては、また別の記事にまとめました。
買い間違い
フィルム
先にご紹介したフィルムですが、これを買う前に、13という数字だけ見て「Wacom Cintiq Pro13」用のフィルムを誤って買ってしまいました。同じ13インチですがフィットしません。
PCバッグ
また、13.3インチと書いてあったPCケースを買ったものの入りませんでした。しかし代わりに12inchノートPCを入れるのになかなかに使い勝手がよいので、怪我の功名というものです。MobileStudioPro13本体サイズは結構大きめで15.6型用がぴったりです。
PCへの接続ツールは別売
ヨドバシカメラのサイトなどを見る限りでは、PCに繋げられるとは書いてあるものの、接続に必要なものが付属するともしないとも買うまではっきりしませんでしたが、実際にはWacom Link Plus(別売)が必要なようです。
AmazonにはWacom Cintiq Pro 13/16専用とあるので混乱しますが、公式サイトを見る限りではWacom MobileStudio Pro 2nd モデル (DTHW1321, DTHW1621)にも対応しているようです。
結構な値段がするので様子見してましたが、NASがあるおかげか、使っていてもPCにつなぐ必要性を感じなかったので、結局MobileStudio単独で使っています。
あると便利なアイテム
外部キーボード
スタンド
手袋
まとめ
メリットデメリット不満点など色々上げました。結果的に作業に入る心理的ハードルの高さを越えやすくなり、ストレスは減り作業時間も大幅削減、結果的に絵に向き合う機会も増えたのが大きいです。私にとっては値段に対する効果は見合っていました。
どうしてもやる気が出ないとき、とりあえずソファでだらっとしながらも立ち上げてみる。落書きをしてみる。から始まり段々調子が出てくる。本番の絵に入れる、といった流れが良いですね。どこかのYouTuberさんもおっしゃっていましたが「行動の慣性」というやつです。走り出すハードルが低いというのは、思った以上に重要です。
とはいえ絵ですから、体調によって大きく出来上がりが左右されます。そういうときはやってみるものの、そのまま調子が上がれば続けますし、だめなら諦めて寝ます。でも圧倒的に作業が続くということの方が多かったです。
絵って描くの本当に面倒くさいんですよね。(じゃあ何でやってるんだというのは置いておいて)あの宮崎駿氏だって面倒くさい面倒くさいって言ってる姿はネットに画像で出回っていたりしますし。凡人が言うやる気が出たらやるやる気なんて、締切間近に焦って渋々やり出すか、月一回くるかこないかなので。でも描き出したら楽しいんですよね。
そういった面で、心理的ハードルをぐっと下げてくれたMobileStudioPro13には本当に感謝です。欲を言えばもう少し値下げしてくれると嬉しいかな…。以上です。
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